子どもは産んでいませんが。

結婚後20年、子なし、今後も子なし決定。子どもを産まなかった自分を憎まずに生きるのは難しいと思う今日この頃。

助けて、ハッピーターン

今日の午後、突然心をわしづかみされ、ぐらぐら揺さぶられるような出来事がありました。

図書館の雑誌コーナーでバックナンバーを探そうと、雑誌が積み重なっている本棚の下段をかがんで覗き込んでいたときです。遠くに子どもがいるなと目の端でなんとなく捉えていたのですが、その子が、「ママー」と言いながらすぐ隣にやってきたのです。かがんでいたので、女の子の目線の高さに私の顔があり、一瞬ばちっと視線が合ったのち、「ママいない」と呟いてどこかへ行ってしまいました。

ほんの一瞬のことでしたが、やわらかくて温もりのある女の子の空気をすぐ隣りに感じました。あぁ優しくてあったかい、そう感じた途端、目の前がぐらぐら揺れて、ちょっとの間動けませんでした。正確には、心が激しく揺れていました。ママって呼ばれるのってこんな感じなんだ。

ママ。

ママかぁ....。

 

私がママにはなれなかったあんな理由やこんな理由が次から次へと押し寄せてきて、さらには、一体なぜそうなったのかそもそもの原因や後悔やらもドサクサにまぎれて湧き出てして、収拾がつかない状態に。とにかく一刻も早くここから去らねばということはわかっていたので、そそくさと図書館を後にし、歩きながらもろもろの気持ちにピシャッと蓋をして、ひとこと。

「助けて、ハッピーターン」。

昔、職場で同僚に言われたんです。「ハッピーターンあげるから元気出して」と。それ以来、食べてなんとかなりそうな時は、とりあえずハッピーターン。そう決めています。

家に帰り、ハッピーターンをごしゃごしゃ力強く噛み締めながら、Hulu で『絶対に笑ってはいけない警察24時』を観ながらガハガハ笑って、今回は事なきを得ました。あやうく、あの時にあふれ出た気持ちによって引き回しの刑に処せられるところだった。

危機一髪の夏の午後でした。