子どもは産んでいませんが。

結婚後20年、子なし、今後も子なし決定。子どもを産まなかった自分を憎まずに生きるのは難しいと思う今日この頃。

梅雨空

東京は雨降りの一日でした。
ビルの向こうの空はどんより灰色で、これが梅雨です、といった感じの見事な梅雨空でした。

家に帰って、吉本ばななさんの「白河夜船」を読み返しました。角川文庫版の少しくすんだ藤色の表紙が今日の梅雨空のイメージと重なり手に取りました。

ああ、なんだかついさっき目が覚めたばかりみたいで、なにもかもがおそろしいくらいに澄んで美しく見える、本当に、きれいだった。夜をゆくたくさんの人々も、アーケードに連なるちょうちんの明かりも、少し涼しい風の中に立ち、待ち遠しそうに真上を見ている彼の額の線も(吉本ばなな著「白河夜船」より)
昼間の明るさがざわざわとまぶしすぎて、あたりが暗くなり始めるとほっとする時期がありました。大学生の頃のことです。

暗くなると落ち着くものの、夜になると夜の長さが怖くて、夜が明け始めるとほっとしていました。この本を読むとあの頃の夜を思い出します。