「かえるくん、東京を救う」英訳完全読解
今度はかえるくんか。
村上春樹の本には、鼠や羊男などがよく出てきますが、『かえるくん、東京を救う』にはタイトルの通りかえるくんが登場します。
『神の子どもたちはみな踊る 』 (新潮社 、 2 0 0 0年 。のちに新潮文庫版 2 0 0 2年 )に収録された短篇で、J a y R u b i nの翻訳によって発表されました。
英訳のタイトルは “ S u p e r F r o g S a v e s T o k y o ”となっています 。FrogではなくSuper frog とすることで、東京を救えるとは到底思えないかえるが東京を救うという原文のタイトルから感じるユーモアを表現しているように思いました。
「ねえ片桐さん 」とかえるくんは言った 。 「お留守中に勝手に上がり込んでしまって 、申し訳ありません 。さぞや驚かれたことでしょうね 。でもこうするよりほかにしかたなかったんです 。いかがです 、お茶でも飲みませんか ?そろそろおかえりだと思って 、お湯をわかしておきました 」 (村上春樹著『かえるくん、東京を救う』より)果たしておとなしく礼義正しいかえるくんは東京を救えるのか。解説が非常に丁寧で読み物としても面白かったです。